□■□■  「日本美術そうだったのか通信」 Vol.9
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 こんにちは。
 アートオフィスJC 田中千秋です。

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■□■□ 真贋について その2
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お待たせしました。「真贋について」その2です。

前回は、真贋の本質論について少し触れました。
http://backnumber.cbz.jp/mmz/backnumber/h4vn/2004090618_2534027105318424.txt

前回、白崎氏が「美術品には、客観的な実在としての本来の贋作と
いうものは存在しない。」と述べたことを紹介しました。

なるほど、それを贋作と呼ぶかどうかは、呼ぶ側の都合、あるいは、
文脈によって変わるでしょう。

・習作を目的とした模写。
・工房作、だとかアトリエ作品など、弟子が書いた作品。
・モチーフを継承したある種のオマージュ(例えば琳派)や引用
(文章ではしばしば行われる)
・有名である事しか評価しない世間への悪戯、復讐としての贋作
(永仁の壷事件など)・・・これは贋作者の真作という見方があり
うる
・意匠を契約したイメージ作(一種のブランド物。)

これらのものは、描かれたそのものが、「贋作」であるわけでは必
ずしもありません。

これらのものが、誤解、または意図を持って、「真作」という触れ
込みで展示・または販売されたときに「贋作」と呼ぶことができる、
という趣旨のことを白崎氏は丁寧に述べています。


そして、もうひとつの本質として、ここにひとつの絵があって、そ
れを例えば狩野探幽のものとされていても、探幽が描いたのを見た
人は誰もいない、ということです。

ですから、絵は、「それが真筆(本物)であることを断定できる人
は誰もいない」という事になります。

ただ、そこまで言ってしまうと、ある種の不可知論
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&q=%E4%B8%8D%E5%8F%AF%E7%9F%A5%E8%AB%96
になってしまいますから、現実問題として、その絵を「真筆か贋物
か」を判断して、私たちは売買をしないといけないわけです。
(「本質的には、贋物というのは存在しない!」なんて売買の場で
叫んでも誰も相手にしてくれませんよね)

そこで、美術品市場では、ある一定のルールに基づいて売買を行っ
ています。

「アートオフィスJC:鑑定について」
http://www.aojc.co.jp/faq/index.html#Q025
でも触れていますが、真贋鑑定については、明治期以降の(超)有
名作家については、所定鑑定人(機関)が決められていて、その人
(機関)の発行した鑑定証があれば、「真筆」として流通します。

しかし、江戸期以前(たとえば応挙、竹田、狩野派などなど)につ
いては、流通上、真筆として通用する鑑定証を発行する機関はどこ
にもありません。

この点注意が必要です。

<この項続く>


本日は読んで下さいまして有難う御座います。
また明日!

((ご意見、お待ちしています。このメールへの返信で私に届きます。))

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